会長挨拶
今、ここに平和の種を蒔き続けよう~子どもの人権と環境のために
OMEP日本委員会会長 名須川 知子
現在、OMEP日本委員会では役員が大きく刷新され、現代の課題を見据え新しい歩みをはじめています。日々の保育の出来事が「今、ここで」行われていることは真実です。その中で我々大人は「今、ここに平和の種」をまきながら進むことが求められております。
OMEP日本委員会の母体である世界OMEPが創設されたのは、第2次世界大戦でもっとも傷ついたのは幼い子ども達であることが明らかになったからでした。1948年プラハで結成され、今年は75年目になります。
しかし、今この時でもウクライナ侵攻はじめ世界のあちこちで戦争が起こり、幼い子どもが多く犠牲になっています。現代においてもOMEPが「子どもの権利」を保障するための組織をつくった時代と同じように戦禍の中で子どもたちが苦しんでいます。
現在の世界OMEPのメルセデス会長はミュルダール氏を引用して、声明を出しております。ミュルダール氏は、当時の核軍縮について、核兵器をめぐる狂気に満ちた超大国のやり取りをいかにして阻止すべきか、それには、市民こそが十分監視して政策者に圧力をかけていかなければならないと強調しています。このような強い危機感からOMEPが継続しているのです。
私たちの日々の保育に関する活動が、子どもたちの心に届く種でありますようにと日々祈りながら、我々が「今、ここで」できることとは何でしょうか。それは、世界OMEPに果敢に加入してくれたわが国の先人の意志を継いで、各人が置かれた立場で多くの人々と協働し、目の前の子ども達の前で平和の尊さや平和を愛する気持ちをもって、一歩一歩、歩むことではないでしょうか。そして、同じ志しをもつ人々が励まし合って、共に歩むことだと思います。その意味でOMEP日本委員会の皆様に尊敬の気持ちと期待をしております。
今期の命題は、「今、ここで平和の種子を蒔き続けていきましょう」そのためには、子どもにとって、何が大切なことか、そして我々は何ができるのか、ということかと思います。将来を見据えつつ、今できることを考え、実行できていけたらと願っています。
2023年4月